1.近年のワークスタイル変遷
近年、働き方の変化に伴い、オフィスの役割も大きく変わっています。働き方改革やコロナ禍を経てテレワークが普及し、現在はハイブリッドワークが主流となりました。
その中で、「人が集まる場」としてのオフィス価値が改めて見直されています。
■ワークスタイルの変遷とオフィスの役割の変化

このように働き方の変化に伴い、オフィスは単なる作業の場から「価値を生み出す場」へと役割が変化しています。
2.オフィスワーカーが「出社したい」と思うオフィスづくり
オフィスの在り方や価値が見直されている今、これからのオフィスづくりが重要なテーマとなっています。
その中で、社員が「出社したい」と思えるオフィスとはどのようなものかを理解し、自社に合った環境づくりを進めていくことが求められています。
【アンケート】
今後のオフィスでは、どの機能を充実させれば行きたくなりますか?
「一人で集中できる場所」「災害対策」 「社員同士の信頼関係を作る場所」などが上位に。

出典:一般社団法人 日本オフィス家具協会 2023 JOIFA 企業ヒアリング報告書
「経営層に聞く、これからのワークプレイスの役割とは」
オフィスだからこそ体験できるエクスペリエンス
オフィスには、対面でのコミュニケーションや空間共有によって生まれる価値があります。
こうした「体験」を高める視点が、これからのオフィスづくりにおいて重要です。
・心理的安全性の確保
⇒ 社員のウェルビーイングを高める
⇒ 生産性の向上
・信頼関係を醸成できる空間
⇒ 社員同士のコミュニケーション活性化
⇒ イノベーションの創発
3.オフィスづくりの「大切な要素」
具体的にどのような要素を意識してオフィスづくりをすべきなのか。
オフィス創りの「大切な要素」をご紹介いたします。
①協働 ②共創 ③健康 ④エンゲージメント ⑤ダイバーシティ ⑥音対策
⑦ソロワーク ⑧セキュリティ ⑨ブランディング ⑩コンプライアンス

これらの要素はそれぞれが独立しているのではなく、相互に関係し合いながら、オフィス全体の価値を高めていきます。
例えば、協働や共創を促す空間づくりはコミュニケーション活性化につながり、結果としてエンゲージメントやイノベーションの創出を後押しします。また、健康や音環境、セキュリティといった基盤となる要素を整えることで、安心して働ける環境が実現され、生産性の向上にも寄与します。
これらをバランスよく取り入れることが、これからのオフィスづくりにおいて重要なポイントとなります。
4.ABW(Activity Based Working)
社内外問わず場所や時間を自由に選ぶことのできる働き方のことです。
単に席を選択できる「フリーアドレス」に対し、集中したい場合は個室ブース、アイデアを活性化したい場合は自由に意見を交わせるオープンなエリアを選択するなど、作業内容に合った場所を選ぶことで仕事効率のアップが期待できるのが「ABW」の特徴です。
■具体的な施策
ABWを実現するには、オフィスの中に下図のような柔軟な環境を整えることが必要です。
(ABW型オフィス)
・セミクローズドブース ・プロジェクト型ワーク ・フリーアドレスエリア
・1on1ミーティングブース ・個室型ブース ・コミュニケーションエリア
・オープンミーティング

このようにABW型オフィスでは、業務内容や目的に応じて最適な環境を選択できるよう、多様なワークスペースを組み合わせて構成することが重要です。集中・コミュニケーション・リラックスといった異なる働き方を一つのオフィス内で実現することで、社員一人ひとりのパフォーマンスを最大化し、組織全体の生産性向上につなげることができます。
【完全ガイド】ABWとは?意味・メリット・デメリット・導入ステップを徹底解説
5.ハイブリッドワーク
ハイブリッドワークとは、テレワークとオフィスワークを組み合わせた新しい働き方です。
双方の働き方のメリットを活かしつつ、デメリットを解消するため、ABWに沿った理想的な働き方とされています。
社員の家庭環境や業務内容を考慮した働き方を推進することで、人材確保や生産性向上、固定費削減といったメリットに繋がります。
■働き方の「空間軸」・「時間軸」が分散

6.健康経営
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。 (経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課)
また、日本オフィス家具協会でも「健康経営オフィス」を推進しています。
■オフィスに「健康経営」の考え方を取り入れることで・・・

健康経営は、従業員の健康づくりを通じて企業価値を高める取り組みです。
オフィス環境を整えることで生産性や組織活性化につながり、結果として業績向上にも寄与します。
オフィスで健康促進!中小企業こそ知るべき「健康経営オフィス」成功の秘訣
7.ウェルビーイング
ウェルビーイング(Well-being)とは、「身体的・精神的・社会的にも満たされた状態」を示します。
近年では、SDGsへの意識の高まりや労働人口減少による人材不足といった背景により、ビジネスの場でも「ウェルビーイング」が注目されるようになってきました。
健康経営が、従業員の健康増進により企業価値向上を目指す「企業視点」の取り組みであることに対し、ウェルビーイング経営とは、従業員の心身の健康と社会的に満たされた状態を目指す「従業員視点」の取り組みとされ、心の健康やモチベーション・幸福感にまで焦点をあてています。
■オフィスに取り入れられる「ウェルビーイング」要素

ウェルビーイング向上には、空間や環境の工夫が重要です。
自然・光・音・コミュニケーションなどを取り入れることで、心身の健康と働きやすさが高まり、生産性向上にもつながります。
8.+α タイムパフォーマンス
モノからコトへと言われて久しくなりますが、「その日」「その場所」「その時間」でしか体験できない「トキ」の過ごし方に、より一層の価値を見出されるようになってきています。
オフィスの価値が見直されている今、オフィスで働く「日」「場所」「時間」はより大切なものであると私たちは考えます。

9.まとめ
働き方の多様化が進む中で、オフィスは単なる作業の場から「価値を創出する場」へと進化しています。出社したくなるオフィスには、コミュニケーションの活性化や心理的安全性、そして働く人のウェルビーイングを高める工夫が不可欠です。
こうした時代においては、レイアウトやデザインだけでなく、
働き方そのものを見据えたトータルな視点でのオフィスづくりが求められます。
※記事作成のご協力:イナバインターナショナル株式会社
